これからプログラミングを学習しようと考えているプログラミング初心者に向けてPythonを実行するための実行環境の使い分け方を解説します。
Pythonの環境構築の方法はいくつかありますが、今回はPython初心者が設定しやすい比較的簡単なGoogle ColaboratoryとAnaconda環境を用いるメリット・デメリットを説明し著者がどのように使い分けているのか説明します。
Pythonの実行環境にもいろいろな環境がありますね。
よく使うGoogle ColaboratoryとAnaconda環境、どっちを使うのが良いのでしょうか?
難しい質問ですね。
僕としても一概にGoogle ColaboratoryとAnaconda環境どっちが良いとは言えないです。
まずはこの2つの環境について解説していくから、状況に合わせて使い分けてみてほしいです!
比較する2つの実行環境
今回比較するPythonの実行構築方法は以下の2つです。
①クラウドサービスGoogle Colaboratoryを使う
②パソコンにAnacondaをインストールしたローカル環境
筆者は2つの環境を使い方や場合によって使い分けていますが、まずは2つの方法のメリット・デメリットを解説します。
①Google Colaboratoryを使うメリット・デメリット
Google Colaboratoryのメリット
Google Colaboratoryを使う最大のメリットはGoogleアカウントを持っていれば面倒な設定が不要だということです。
また、Google社のサーバー環境にある環境をそのまま使うことができるので、お持ちのパソコンの性能が低くても高速な実行環境でPyhtonを利用することができます。
そして、実際にPythonを用いる際にはインターネットに公開されている様々なツールを用いることになります。Google Colaboratoryはこれらのツールのバージョン互換を精査した上で公開されているので用いるツールのバージョンを考慮せずに使うことができます。
Google Colaboratoryのデメリット
Google Colaboratoryを使う上でのデメリットとしてはGoogleのクラウド上に全てのデータをアップデートして用いるため、仕事でpythonを用いる際には社外秘情報の取り扱い・情報漏洩のリスクに充分に気を配らなくてはなりません。
また、メリットでも触れましたバージョン互換を精査したツールを余計な事を考えずに使えるメリットは大きいのですが、個人が開発したようなマイナーな拡張ツールは使えない場合もあります。
そして、Googleのクラウド環境にアクセスする必要があるのでインターネット環境が無いと使うことができません。
②パソコンにAnacondaをインストールしたローカル環境
Anacondaのローカル環境を使うメリット
Anaconda環境を使うメリットはPCのデータをそのまま自分の環境で実行できるため、社外秘情報の取り扱い・情報漏洩のリスクが少なくなります。
また、環境構築を自分で一から行うので、個人が開発したようなマイナーな拡張ツールを自由にインストールして使うこともできます。
そして、一度インストールしてしまえばインターネット環境のないローカル環境でも実行できることです。
※ただし、新しいツール群をインストールする際にはインターネット環境が必要です。
Anacondaのローカル環境を使うデメリット
Anacondaを使う上でのデメリットとしてはお持ちのパソコンのローカル環境を使うので、パソコンの性能が低いと実行に時間がかかる場合もあります。
特に、AIやデータサイエンス分野では膨大なデータの演算処理を行うため、CPU性能・グラフィックボードの有無によっては実行結果がいつまでも表示されないといった状態にもなりえます。
また、Google Colaboratoryは拡張ツールのバージョン互換を精査した上で公開されていますが、Anaconda環境だと拡張ツールを自分でインストールする必要があります。
このため、用いていたツールをバージョンアップした際などには他のツールとのバージョン互換が取れず正しく動作しない場合があります。
こういった場合は動かなくなったツールのバージョン互換についての情報をネットで調べて自ら解決する必要があります。
メリット・デメリットを見てきたけど、結局どうすれば良いんでしょう。
Google ColaboratoryとAnaconda環境、どう使い分ければ良いですか?
そうですね。
ツールによって一長一短があるから難しいですよね!
僕としてはこういう風に使い分けているので参考にしてほしいです。
結局..どう使い分ければ良いの?
前提として筆者はAnaconda環境を構築した上で、Google Colaboratoryも用いています。
そのうえで、筆者の使い分け方を紹介します。
勉強にはGoogle Colaboratoryがおすすめ
面倒な設定や環境構築が不要なので、Pythonの勉強をしたいという方には断然Google Colaboratoryがおすすめです。
慣れないうちはコードの打ち間違いによるエラーなのか、Anaconda環境の構築に失敗しているのか自分で判断できないものです。
そのため、初心者の方はあらかじめ実行環境が整っているGoogle Colaboratoryを使って学習していく方が良いと思います。
また、実行したデータは自動的にGoogle Driveに保存されるので、どこからでもデータにアクセスでき安心です。
外出先で使うならAnaconda環境は必須!
Anaconda環境のメリットでも述べましたが、Anaconda環境を一度構築すればお持ちのPC上にPython環境が構築されます。
そのため、インターネット回線のないローカル環境でも実行できます。
外出先で気軽にPythonを使いたい!という場合にはAnaconda環境が必須でしょう。
仕事で使うならAnaconda環境で!
Google Colaboratoryは取り扱うデータを全てGoogle社のサーバー上にアップロードして実行します。
このため、プロフラムの実行時には社内情報やソースコードをGoogle社のサーバー上にアップロードしなければならないので、社外秘データの取り扱いに気を付けなければなりません。
筆者は基本的には業務で使うコードやデータはAnaconda環境で実行しています。
AI・データサイエンス以外はAnaconda環境で!
Google Colaboratoryはセル単位でのプログラム実行が前提となる.ipynb形式のファイルとして取り扱うことが前提になります。
そのため、セル単位での単発のプログラム実行(AIやデータサイエンス)ではこの環境で問題にはならないのですが、WEB開発や自動化ツールの作成にはファイルごとに機能を分けていく必要があります。
このため、WEB開発や自動化ツールの作成には.py形式のファイルを用いるのが基本となるため、Anaconda環境+開発環境(VS code,PyCharmなど)を使うことになります。
Anaconda環境で原因不明のエラー..Google Colaboratoryで実行!
Anaconda環境でエラーとなった際にコードの不備ではない..そんな時には該当のコードをコピペしてGoogle Colaboratoryで実行してみます。
Google Colaboratoryで問題なく実行できればAnaconda環境の構築不備やツールのアップデートによるバージョン互換性が担保されていない状態を疑うことができます。
逆にGoogle Colaboratoryでもエラーとなればコーディングミスの可能性が極めて高いです。
Anaconda環境の動作確認のためにもGoogle Colaboratoryは補助的に使うことができます。
使い方のイメージが湧いてきました。
早速2つの環境を構築して使い分けてみます!
使い方のイメージが伝わったみたいで嬉しいです。
ただ実行環境もプログラムを作るための道具だから、この解説を元に自分の使いやすい使い方を探していってほしいですね!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はPython初心者の方がPythonを使う上でAnaconda環境、Google Colaboratoryの2つの実行環境をどのように使い分けるのかを説明しました。
この記事を元にしながら自分にあった実行環境の使い方を考えるきっかけになればと思います。
また、Pythonはこれからも発展していく言語ですので、今後も様々な実行・開発環境がリリースされていくことだと思います。
そういった際にもこの記事の考え方を元に新しい環境の導入も行い、自分にとってより良い環境を見つけていただければと思います。
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